コンサート フランス音楽

 2023年11月17日から3日間、兵庫芸術文化センター管弦楽団による第146回定期演奏会が行われました。この演奏会のタイトルは「極上のフランス音楽」、
ソリストは世界的に有名なフランス人のクラリネット奏者、ポール・メイエさん。
指揮はメイエさんがDebussy、Bizet、Ravel、エスケシュは阿部加奈子さんがされることに、公演1週間前という直前に急遽決まりました。
 エスケシュの「クラリネットと管弦楽のための協奏曲」はこの公演が日本初演、私はこの中でピアノパートを弾きました。

2023年 11月 リハーサル前

 パリではアンサンブル・アンテルコンタンポラン(Ensemble InterContemporain),フランス放送管弦楽団(Orchestre de Radio France)などの楽団からよく現代曲のピアノパートを弾くお仕事を頂いていました。初演のお仕事もありました。

 今回のエスケシュの曲はスコアを見ながら音源を聞き、時間をかけて勉強してきました。
初めの頃はなんて難しい曲だろう!と思い少しナーバスになった日々もありました。
でもリハーサルが始まりメイエさんのクラリネットを聞いていると、特に第3楽章の躍動感が楽しくなってきました..

2023年11月 定期演奏会 GP前

 コンサートではしばらく味わっていなかった現代曲特有の緊張感高まるスリリングな感覚がありました..
日本で現代曲のコンサートにのせていただいたのは、2018年の大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会、三善晃さん作曲 “オーケストラのための「ノエシス」” 以来でした。

エスケシュ クラリネット協奏曲

 ポール・メイエさんは気さくな方でリハーサルの休憩中、私に”そこ難しい?”など話しかけに来て下さいました。
そしてコンサートの、これから舞台に出ていく扉が開かれて私が一歩踏み出そうとした時、笑顔で”Ca va? 例の速い掛け合いのパッセージ、速くなりすぎないようにしよう!”と明るく、フランス風ウィットにとんだ言葉をかけて下さいました!
たくさんメイエさんとフランス語でお話ができ、私は夢のようで嬉しく楽しくて感動してしまいました。

CNSM de Paris パリ国立高等音楽院

 そして阿部加奈子さんとは、パリ国立高等音楽院の学生時代に知り合い、現代音楽のコンサートに一緒に出演したことがあります。
多才で素晴らしい作曲家でいらっしゃった加奈子さん、すごい頭脳をお持ちで在学中から尊敬していました。
今回もエスケシュの難曲を数日で仕上げられ、どんなに賛辞の言葉を贈っても足りません..ピアノにも毎回合図を出してくださり本番も安心感があり、素晴らしい初演でした。

CNSM de Paris パリ国立高等音楽院

 リハーサルではメイエさんと阿部さんがフランス語でお話しされていて、私はほのぼのとした気分になりました。今私はフランスのオーケストラにいるのだろうか?という気持ちになりました。

 私の第二の故郷、フランス..
この兵庫芸術文化センター管弦楽団の公演「フランス音楽」が私にもたらしてくれたものは言葉で言い表せないほど大きかったと思います。

コンサートで生徒さんからいただいたお花です

 そしてコンサートに来てくださった生徒さんのお母さまが素敵なお花を届けて下さり、心温まった忘れられない思い出になりました。

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