コンサート Pierre Boulez

 桐朋生の頃から私はオーケストラの中で弾くアンサンブルピアニストに強い憧れをもっていました。
 パリ国立高等音楽院ではピアノ科、そして伴奏科に学びスコア・リーディング、移調など多方面の勉学に励みました。
 学生時代から師匠の導きもあり、現代音楽のアンサンブルやオーケストラの中でピアノを弾くお仕事を少しずつ頂くようになりました。

 現代音楽のメッカであるパリ、 Ensemble InterContemporain(アンサンブル・アンテルコンタンポラン)を初めフランス放送交響楽団、そしてフランス各地、ベルギーの楽団から数々の公演機会を頂きました。

エクサン・プロヴァンス 市庁舎

 研鑽を積み始め3、4年位たったまだ寒い真冬、2月のある日にEnsemble InterContemporainから大きなお仕事を頂きました。
南仏Aix-en-Provence(エクサン・プロヴァンス)で6月下旬から2週間行われるPierre Boulez(ピエール・ブーレーズ)指揮の公演、
彼の難曲“Eclat / Multiples”(エクラ /ミュルティプル)をアンサンブルの中で演奏するという大役です。
このフェスティバルは若い指揮者の為の講習会、そしてコンサートでした。

Theatre du Jeu de Paume コンサート・ホール

 あまりの大役を頂き光栄だったのと同時に、ブーレーズ指揮のコンサートというだけで緊張感Max…
更に指揮者の即興にもついていくという難曲…
楽団でビデオを何度か事前に見せていただきしっかりと勉強していきました。

 ブーレーズは厳格な指揮者というイメージでしたが、リハーサルの時は冗談も飛び出し私にとっては意外でした。

 このフェスティバルの後に私はソロの研鑽の為、夏期講習を控えていました。
ショパンやラヴェルの曲を現地の音楽院で毎日練習し、ブーレーズの曲も頭をひねり真剣勝負のリハーサルにのぞみ頑張った初夏の日々…
 エクサン・プロヴァンスの旧市街はアートで歩いているだけでまるで歴史が本から飛び出してきたように感じる素敵な街です。
そして画家セザンヌが生涯愛した故郷でもあります。
 少し足を延ばせばコートダジュール地方、紺碧の地中海をのぞめ南仏の自然や眩い光彩に魅せられる土地です。

エクサン・プロヴァンス 噴水

 私の大好きな南仏で行われたブーレーズの公演2週間、
この経験は後の私の人生においてゆるぎない自信にもなり、また大きな糧となりました。

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