昨年2020年9月19、20日に佐渡裕さん指揮、兵庫芸術文化センター管弦楽団の特別演奏会が行われました。プログラムはリヒャルト・シュトラウス作曲 ”アルプス交響曲“、奏者約100名以上、大編成のオーケストラです。私はその中でチェレスタを弾きました。

昨年、全世界の誰もが予想すらしなかった未曽有の事態となり、コンサートも中止または延期、音楽家にとっても試練の時でした。

兵庫県立芸術文化センター大ホールは国内有数の四面舞台、オペラも上演できるホールです。ソーシャルディスタンスをとりながらの大きな舞台はまるでアルプスの山のような圧巻の眺めでした。
アルプス交響曲は約60分の単一楽章です。夜明けから日の出、そして登山をする道中の景色、例えば小川や滝、お花畑に牧場、氷河や雷雨、それから下山し日没、夜になるまで描かれています。
様々な場面の音楽描写、そしてオーケストラの迫力に私はまるで自分がアルプスの山に登ってきたような気持になりました。

そして何よりこのようなスケールの大きいコンサートがこの状況で実現できたこと、自分もその中の一員として素晴らしい音楽を共有できたことに舞台上で感動しました。
また一つのコンサートを作り上げるのには音楽家だけではなく、裏で支えて下さるスタッフの方々がいらっしゃるからこそ演奏会ができることを改めて感じました。
特別な思いで臨み、1年経った今でもあの時の感動がよみがえってくる、そんなコンサートでした。


